Sweet Season

会社の年上上司との秘密の恋

彼から貰った初めてのプレゼントは雪の結晶がモチーフになったダイヤのネックレス。
「道を歩いていたら目に入って、kiyoに似合うと思ったから!」とこの関係が始ってすぐの頃にある日突然プレゼントしてくれたもの。


私達の住む地域は殆ど雪が降らないから、雪景色は特別。
彼と何度か旅行には行ったけど、一緒に雪は見ていない。


「今年の冬は一緒に雪景色を見に行こう。」


そう言ってくれたのに。
もうすぐ雪景色の季節になっちゃうじゃない…


ネックレスを見る度に彼を思い出してしまう。
いっそのこと他にプレゼントしてもらったネックレスにしようかとも思ったけど、今はこのネックレスを外さない方がいい気がして結局毎朝着けてる。


どうして急に連絡が来なくなったのか。
出来ない事情があるのか。


私が何かしたのかな?気に入らないことでもあったのかな?と色々と思い返してみても、特に思い当たる節もなく途方に暮れる。


連絡がなくなる1週間ほど前のデートの時もいつもと何も変わらなかった。


出張で寂しい思いをさせるからといつもよりゆっくりと会える時間を作ってくれて、昼間から素敵なホテルで愛し合い、夜は大好きなお店でディナー。これからの予定も話していたのに。


年末年始に家族で旅行に行かなくちゃいけないという話を聞いて、少し拗ねてしまったけど、


「嫌な思いをさせてごめんね。でもただの義務だから。もうすぐ子供達が巣立てばもう旅行もなくなる。でもそんなkiyoが可愛いよ。」


とすぐに仲直りしたし。


全く原因が思いつかない。
もしかして彼の身に何かあったのかなとか最悪の事も考えてしまう。


今朝読んだ婚外ブログで最愛の人が突然倒れたと書いてあった。近くにいても顔を見に行くこともできない関係。分かっていても切ないし辛すぎる。どうか回復されます様に。


でも連絡の取れない私は彼の状況が分かる連絡がきたことが羨ましいなとも思ってしまう。不謹慎でごめんなさい。でももしも彼が突然倒れても私にはわからない。もしも次に会えたら、緊急時のことをちゃんと話しておきたいな。


でも今は待つことしかできない。


「一緒に雪景色を見に行こう」といった彼の言葉を信じてる。

素敵なブロガーさんの記事に、”夢に好きな人が出てくる時はその人が自分を気にかけてくれているから”と書いてあった。


彼と連絡が途絶えてから1ヶ月と少し。一度だけ夢に出てきたことがある。内容まではよく覚えていないのが悲しいけど。


夢占いとはまた違うのかな。
その時に夢占いで好きな人が出てくる夢と調べたら、自分の深層心理の表れだと書いてあった。確かに会いたい(笑)


彼からの最後の連絡は海外出張に行く際の空港からの連絡だった。


「行ってきます!いい子で待ってるんだぞー!」


待ってるんだけどなー。。。
まだ足りない?それとも何かあったの?


彼の会社にまだやりとりをしている人はいるけれど、安易に聞くことはできない。普通に考えてもう会社が違う派遣の身分で元いた会社の部長の様子を聞くなんてこと、おかしいから。


彼が夢に出て来てくれたら嬉しいけど、ブロガーさんの記事に書いてあることが本当なら、できれば私が心配しているよ、待ってるよっていう気持ちが彼に伝わる様に、私が彼の夢に出られたらいいなー。でも沢山出ちゃうと迷惑だろうからほどほどにしておかないと。。ってほどほどにできるのものなのかな?(笑)



もう少しいい子で待っていよう。


来月は彼のお誕生日がある。
その時におめでとうって送りたいから。


それまでは楽しかった時間のことを忘れないようにブログを書いておこう♪

きっかけ

私が入社してから1ヶ月ほど経った日、部署のみなさんに歓迎会をしてもらった。


お料理がとても美味しい落ち着いた佇まいのお店。


「深海部長のお気に入りのお店なのよ!今回は部長自ら手配したの。きっと部長はkiyoさんのことがお気に入りなのね。だから今日は部長の隣に座らなきゃだめよ!でも〇〇さんには気を付けて。部長のことが大好きみたいだから(笑)」


そんな風に言われてもどんな顔をして返せばいいのやら。。


歓迎会はとても楽しくて皆さん良い方ばかりで。
いい会社に配属されてよかったと心から思った。
この気持ちはこの会社を去った今でも変わることなく、派遣とか関係なく本当に良くしてもらったなぁと思う。今でも仲良くして下さるかたもいる。


そして二次会もずっと彼の隣に座ってた。というより座らされていた。
お手洗い等で席を外して戻っても「kiyoさんはここへ!」と彼が呼ぶから。
彼のことを大好きだという〇〇さんが少し気にはなったが、特に目を着けられることもなく終始皆笑顔だった。


会がお開きになり、また明日ね~と各々が使う駅の方向へ向かった。


たまたま他に彼と私が使う路線を使う方はおらず、気が付くと二人きり。


「kiyoさん、もし時間が大丈夫なら軽くもう1杯付き合ってくれないかな?」


「はい!お付き合いします!」


この日から彼からたわいもないメールが毎日届くようになった。
仕事の話、家庭の話、学生時代の話、趣味の話。私の事も色々と聞かれ、気が付けば色々なことを話していた。そしてメールの節々から彼の好意は十分に伝わっては来たが、私からそこに触れることはしなかった。



1ヶ月ぐらい経ったある日のこと、突然
「kiyoさん、近いうちに食事に行きませんか?嫌でなければ都合のよい日時を知らせてください。」


食事だけ、食事だけ。
上司と部下で食事に行くことだってある。
冷静に冷静に。


自分にそう言い聞かせながらも心はドキドキ。



その後も何度か二人で訪れている素敵なイタリア料理店。
この日は緊張のあまり何を食べたかもあまり覚えておらず、別の機会に行った時に思わず、


「こんなに美味しいお料理は初めてー!」と喜んだ私に、彼は
「これを食べさせたくて一番最初にこのお店を選んだのに覚えていないだなんて!
でもkiyoのそんなところが可愛くてたまらない。何と言ってもこの俺が人生で初めて一目惚れをしたkiyoだからな。」


と笑ってた。



こうして私達のSweet seasonが始った。